日本の美・発見 Ⅳ 長谷川等伯と狩野派(出光美術館) [美術展感想]
今回は会期中に間に合うのか!!
(あーでもあと2日しか残ってない~(>Д< ;) )
長谷川等伯と狩野派の展覧会をやっているというのを、題名のない音楽会でやっているCMで知りました。
いつまでなのかな~?!とネットで調べるとすでに10月からやっていて会期は残り2週間!!
ということで、私得な企画なのでいそいそと行ってきました!
出光美術館も今まで来たことがかったのですが、ここもメインは陶芸品らしくて、ほとんど絵画しかみない私はあんまり縁がなかったところです。
入場料は1000円ということで、あんまり大きくはないのだろとは思ってました。
企画展では3室。
それもほとんど屏風作品だったので展示点数はそれほど多くありません。
でも私としてはこれぐらいの金額でこれぐらいの量が見やすくて好きです。
第1室に今回のメインどころがそろってます。
その中でも狩野派側なら「桜・桃・海棠図屏風」長谷川等伯なら「竹虎屏風図」が絶品でした!!
「桜・桃・海棠図屏風」は狩野長信作で八曲一隻には迫力と優美さを備えた桜・桃・海棠が描かれています。
3本の木があるのだけど、私はてっきり真ん中が桃だと思っていたのですが、画像検索すると色は海棠も濃い目の桃色なんですね。
でもおぼろげな花びらの形からして、左端の木が海棠かな・・・・。
この時代の手法によくある樹木を手前に大きく描くというのはそれほど大げさではなく、桜と桃はほぼ同じ大きさで右端に書かれ枝葉が左画面へとのびてます。
可憐な花が咲き誇り、その精密と華やかさがとても魅力な作品です。
そしてただ桃と桜を描いただけでなく周辺への構成がまた素敵で、メインになる木々を全部は描かずに上部は金雲で隠すのがまた想像の余地をもたせているように思います。
また左画面からも金雲の間から海棠?の枝がひょっこりのびて、画面全体がいい具合に満たされいます。
下部には草本類がありますが地面にちょろりと生えてる様が、桜と桃ほど主張してせず勢いのある2つに比較して可憐さを増しているように思います。
その他金雲の間の風景、桃と桜の根元にある石の配置など絶妙さ加減がなんとも言えませんでした!!
そして「竹虎図屏風」は勢いのある絵ですね。
右隻の虎は会場の説明にもあるとおり、風に吹かれているのをにらみつけるというかやり過ごしている様にみえます。
その表現が虎はもう筆の運びから風の強さを感じますし、等伯にみられる筆の勢いがある竹が左画面にあるのですがそれが大げさではないのだけど風の強さを表すように葉っぱが揺れています。
そして薄墨での風の表現。
虎は何より顔が良いし、四肢のバランスがよく猛々しく表現もされていますが、その身体つきはスタイリッシュに感じました。
左隻は愛くるし虎の図というところですが、ネコのしぐさを元にしたのかなんとなく不自然さを感じます。
その以外でも、左側の竹林は他の人の(狩野派)描き足しになっているので、明らかに等伯の画風とは違っています。
左隻は悪いと言うわけではないのですが、右隻ほどの魅力は感じませんでした。
他第1室にある作品では、「鷲捕兎図屏風」はあまり鷲にも兎にも迫力が感じられないのですが、右下に流れる小川の描き方が好きでした。
「花鳥図屏風」(元信印の方)は明らかに通常の狩野派の画風とは違い、また画面に情報量が詰まった作品でした。
嫌いではないのですが、もっと構成物が少なくてもよかったのでは?と思える作品です。
第2室に行きます。
ここでは長谷川等伯・狩野派に影響を与えた、能阿弥などの作品が飾られています。
牧谿の「叭々鳥図」が小品ながら鳥の愛くるしさがでていて好きでした。
最後の第3室が一番大きい会場となってます。
狩野派(狩野常信)と長谷川派両方で「波濤図屏風」があるのですが、なんか両方ともちょっとくどい感じになってますね。
でも作品自体並んでますし、両派の違いを見比べるのには絶好の機会だと思います。
「麦・芥子屏風図」(狩野重信)私の時は左隻が飾ってあったので芥子図の方ですね。
画面自体はスクっと伸びている芥子がリズムよく並んでいて、後ろにちょこっと麦もあります。
単純な構成ながら、赤と白の芥子の花と背丈の違いにより画面に動きを感じるものでした。
色としては3色見えるのですが、少々濁ったような黄色は剥離したものなのかな?
最後はやまと絵の傾向として「柳橋水車図屏風」(長谷川派)がありましたが、比較としての「宇治橋柴舟図屏風」と比べても金伯の使い方が大胆で、屏風いっぱいの橋は迫力でした。
ほか会場には常設なのかな?工芸品がかなり飾られいます。
また別室には陶片室という、アジアなど世界各地から集められた陶片が展示されます。
古今東西、時代もいろいろで、好きな方、資料がほしい方には貴重な場所だと思います。
私はざっとみただけですが、高麗青磁が好きですね。
あとまた別室としてルオーとムンク作品も飾ってあります。
(そして、茶室と茶道具の展示もあるのですが、遠すぎて良く見えなかった)
ここの美術館の特徴に皇居が一望できて、なぜか無料の給茶機があるので絵を見た後に一服できます。
これはちょっとうれしいサービスですね。
さて会場も2巡したら閉館時間間際になりした。
30分前に閉館のアナウンスがあったので「10分か5分前ぐらいにはアナウンスあるだろう」と3巡目を適当にしていたら、5時にいきなり閉館のアナウンス!!
えっ(゜Д゜;)
っとなったのですが、とりあえず最後の一目第1室の作品をみたいと戻ったら、すでに会場は真っ暗に!!
orz・・・・。
最後一目「桜・桃・海棠図屏風」を目に焼き付けたかった!
いつかまた会えたらいいなー!
以上で今回の感想終了です。
今年はこれで美術館納めになりそう!
来年も素敵な作品に沢山出会いたいです。
日本の美・発見VI
長谷川等伯と狩野派
2011年10月29日(土)~12月18日(日)
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
会期・開館時間等は都合により変更することがあります。最新情報は当ウェブサイトまたはハローダイヤル(03-5777-8600)でご確認ください。
入館料
一般1,000円/高・大生700円(団体20名以上 各200円引)
中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
休館日
毎週月曜日
電話番号
ハローダイヤル
03-5777-8600(展覧会案内)
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
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