屍鬼(小野不由美) [今日の書物]
屍鬼1~5
小野 不由美 新潮文庫 02.2
不得意な分野は読むものではないですね。
ホラーって好きではないのですよ!
でも割と小野さんの本は読めるので思い切って挑戦してみたけど・・・・・。
一回読みはじめると止められない!!
止まらないではなく、止められないのだ!
おかげで連休がつぶれてしまった(-_-;)
ラノベは1冊1時間前後で読めるけど、今回は1日2冊いくかいかないかのスピードだったので文章の濃さがわかる!
部外者が入りにくい村で次々と人が死んでいくという事態が起こる。
それに気がついたのは村唯一の村医者のと寺の息子。
最初は伝染病だと思っていたが、それは現代社会ではあまりにも非現実的な事象、「起き上がり」と村では言われる死んだ人間が甦るものだった。
それも彼らはだた甦るのではなく人の血を食料としてして生きる、屍鬼だった。
さてこの内容だが、もちろんホラーだけど2/3ぐらい進んだところから話の雰囲気が変わってくる。
屍鬼側の話も入ってきて、ちょっと哲学ぽくなってくるのだ!
なので「怖くないよ~」と言われ読んだ「リング」シリーズをちょっと思い出した。
ホラーのテイストとしては、けっこうしょっぱなからがんばる主人公2人がいるのになかなか人間からの反撃が起きない。
サブのキャラクター達も村の異変に気がついてがんばるのに次々と・・・・・・。
なかなか最後までカタルシスはやってこないが、その最後の結末もハリウッド映画のようにすっきり!!という終わりではない。
ところどころ「ん?」と突っ込みを入れたくなるところもあるがそんなには気にならない!
そして村はひとつの塊となり見えない波にさらわれていくことになるのだが・・・・。
屍鬼達と対峙した人間にとってある意味とてもリアルな最後だと思う。
ホラーの分野に入るのだろうけどなんか切ない話でした。
ちなみに文庫のあとがきで宮部みゆきさんはハード本の方を薦めてましたよ!
星虫(岩本隆雄) [今日の書物]
星虫
岩本 隆雄 ソノラマ文庫 2000.6
1990年に新潮社から刊行されたものに加筆されたもの。
久しぶりに星虫が読みたくて借りてみました。
すでに絶版になっているとは聞いてましたが、ソノラマ文庫から再販されているとは思いませんでした。
読み返してみてみると、内容はほとんど忘れているのが発覚。(笑)
(部分部分では覚えている!)
まあ、携帯が出てきたりと現在にあわせた設定になっていたので、加筆もだいぶしているのだとは思いますが!
主人公はスペースシャトルのパイロットに憧れる高校生、氷室友美と、いつも寝てばかりいる寝太郎こと同級生の相沢広樹と星虫とのお話。
特別なことは、特別な人だけに与えられたのではなく、ほぼ人類平等にそのチャンスは与えられた。
でもそれを最後までいかしたのは、信念をもって星虫を育てた友美と、友美を信じた広樹だけだったというのが、この話の一番のポイントだと思う。
実際はもうちょっと星虫を最後まで育てた人がいても不思議ではないと思うけど、特別な人にだけ特別なことができるというのではないところが好きだ。
作者も言っているが、恥ずかしいセリフもいっぱいあるがそれがいい。
「人間は地球の種なんだよ」
なんかが私はとてもいいと思う。(そこに行くまでのくだりも)
本当に種かどうかはわからないけど、世の中そんなに悲観したものではないと思う。
この物語の中みたいにぱっと解決策はないけどね。
イラストはほとんど私のイメージ!(特に寝太郎は顔が出ているイラストなかったし!)
宇宙はよそ様の写真から勝手に引っ張ってきちゃいまいした。