SSブログ

あこがれのヴェネチアン・グラス-時を超え、海を越え(サントリー美術館) [美術展感想]

展覧会会期は過ぎてしまいましたが、少し感想書いておきます。

前回の刀剣と違って形に違いがあるので、まだ個別に記憶が残りやすいので多少はましな感想を書いておきたいと思います。

(多少ましなだけです!!)

 

サントリー美術館は好きな美術館のひとつです。

会期終了間際の土曜日に行ったのですが、閉館時間が8時までなのでゆっくりと見ることができました。

また会場の混み具合もほどほどで、他のお客さんで見れない展示物も時間をずらして見直しに戻ればしっかり見れます。

 

ヴェネチアン・グラスの技術(無色のガラス作りとそこへの彩色)は16世紀にヴェネチアのムーラノ島で確立されて、門外不出の秘術として長年その島でのみ制作されてきました。

16世紀のガラス作品なので、現代のガラスを見なれている身としては洗練さが足りないなというのは率直に感じます。

しかしながら、時代背景も込みでその作品を見るとその繊細がよく感じられました。

 

第1室はこのムラーノ島で作られた初期のオリジナルという作品が飾ってありました。

基本はゴブレット型が多くまたそれが実用品として多く出回っていたのだと思います。

透明ガラスにエナメル色彩の作品もあったのですが、こちらは色ムラもありぺったりとした色彩は私好みではありませんでした。

またすごーく使いづらそうな船形水差もありましたが、もう今となっては持ち上げると壊れそうな不安定な造型です。

そんな中で気にいったものでは、「ダイヤモンドポイント飾り脚付鉢」はいわゆる硬いものでガラスの表面を引っ掻いて模様をつけるたもので、他の作品と比べても繊細さが出ていました。

そして今回の一番の目玉だと思うのですが、やっぱりレースグラスは良かったです。

形はゴブレットが多く、チラシの写真でも使われていた作品です。

このレース模様どのようにできているのかじっくり見たのですが、模様の変わり目でそのまま裏側に白の線がいっているように見えるのです。

(上手く説明できませんが・・・・)

普通ガラスだと吹いて形を整えるというのを想像するのですが、それだとこの模様の形が形成されるはずがありません。

美術館を出てからレースグラスの製法を記述したものがあったので読んでみたら、器の形にする前に透明ガラス棒と白ガラス棒をねじったりして元になるレースのガラスを作るのだそうです。

ただそれからあのなんの継ぎ目もないゴブレット型にするのは謎のままです。

それにしてもあのレース模様にゴブレットの形は繊細でとても上品。

模様も何処を見ても破綻してなくて、その連続性と規則性が調和しています。

確かにガラス自体に年代を感じますが、その優美さを劣化させるものではありません。

ゴテゴテした飾りが好みでない私はこのゴブレットは展示物の中で一番好きなものになりました。

 

もちろんこれ以外でも鉢・皿などありますが、小さい作品の方が繊細さが際立っていて好きでした。

複雑な形が無いのは、多分複雑に作れないからなのかもしれませんね。

 

絵の展示物としてはムラーノ島が描かれたエッチングがありました。

これってヴェネチアにある島のひとつということのなのでしょうか?

かなり小規模の島だったみたいです。

 

(ここからしばらく文章放置しての続き書きです)

次の部屋ではこれらムラーノ島で考案されたガラス技術がか海外へ流失していき、現地の技術と融合して新たらしい作品が生まれていったもの達がありました。

そろそろ記憶の限界がきてまして、もう作品が本当におぼろげになってきているのですが、全体的に初期作品はムラーノ島よりも洗練されていません。

(ドラゴンステム・ゴブレットのドラゴン部分がいびつだったりしています)

しかし時代がすすむにつれてオリジナルと遜色ないものになっていきました。

その中で一番気に行ったのはやっぱりレースグラスで、正式名称と制作はチェックしてないので私の手元の資料ではわからないのですが、今風に言うとシャンパングラスみたいな細身のグラスです。

そのグラス自体のシルエットもかっこいいのですが、レース部分も繊細な模様が施されいてとても綺麗でした。

後はガラス製造に関しての書籍があり、イタリア語から他の言語翻訳されて、その翻訳されたのが他の言語に翻訳されながいろんな国々でガラス技術が広まったようです。

しかし、この伝言ゲームみたいな翻訳で正確な技術は伝わったのですかね?

あと別のガラス技術について書かれた書物の復刻版版画が展示されてました。

 

次の部屋には日本に来たヴェネチアンガラスについて展示してありました。

各地の城跡などから出土されたものや、今日まで保存されていたものもありましたが、ヴェネチアングラスを日本でアレンジした作品が多かったです。

ゴブレットとかでなく、徳利や杯など日常に使いやすい形が主流となっていたようです。

その中でもぎやまん彫りとされている杯は透明感の中に繊細な絵がダイヤモンドポイントのような引っ掻く形で描かれていました。

杯の大きさやその絵柄などがかわいく、この中でも好きな作品です。

 

ヴェネチア19世紀イタリア

技術が海外流失した後ガラス産業が一時期衰退したイタリアですが19世紀にまた再興という形で産業が盛り上がりました。

この時代になると作品自体が大型化して、ガラスの装飾もかなり多彩になってました。

花形ステム・ゴブレットでは透明な色ガラスで装飾されたゴブレットで、その造型さながら色ガラスに一層の透明さが増してました。

あと、ひたすらゴージャス感のあるティーカップ&ソーサーは金色とポイントになる白の模様で構成されているのですが、金色なのに繊細な構成により嫌みのあるデザインになってませんでした。

 

最後は現代のガラスアート作品でした。

もう実用性うんぬんはなしですね。

ガラスなのにふわっとしたハンカチのような作品、海中を表現した作品、小さなグラスを並べて水を表現した作品などがありました。

あと「?」となるのもありましたが!!

 

以上大雑把に感想です。

 

さすがに1か月以上経っての感想書きは難しかったですorz

「これは凄い」と思っていても忘れてしまうものなんですね・・・。

でもこれでまた似たような企画展があっても楽しめるというもんです(笑)

 

えーでもまだもう一個感想書き残しているので、また近日中に上げたいです。

駄文申し訳ありませんでした。

 


開館50周年記念「美を結ぶ。美をひらく。」III
コーニング・ガラス美術館特別出品
あこがれのヴェネチアン・グラス―時を超え、海を越えて
 

会期:
 2011年8月10日(水)~10月10日(月・祝)
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
 
開館時間:
 10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※9月18日(日)、10月9日(日)は20時まで開館
※いずれも最終入館は30分前まで
※開館情報は変更となる場合があります。最新情報はホームページをご覧下さい。
 
休館日:
 火曜日
 
入館料:
 一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。