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ルドンとその周辺ー夢見る世紀末(三菱一号館美術館) [美術展感想]

ルドンやるんだー!(´=ω=`)

前Bunkamuraでやったときに見逃したな~!!

いつやるか検索しよう!

(それから数カ月)

やばい!もう会期終了しちゃうよ!!(>Д< ;)

 

といういつものパターンで終了間際に行くことになった。

ここは水・木・金と20:00までやっているので、土日の混んでいるのは避けて金曜日に行ってきました。

 

会場は3部に分かれていて、「ルドンの黒」「色彩のルドン」「ルドンの周辺」という会場構成でした。

最初のルドンの黒はルドンの初期作品であり、印象的な版画の数々が飾ってあります。

 

割と最初は普通の当時よくあるようなエッチング絵でした。

木炭画の方が後で描かれたよな幻想的な雰囲気を醸し出していました。

 

版画集「夢の中で」になるとルドンの代表的な作品が出てきます。

もう全てがルドンらしい幻惑的な世界だと言ってもいいでしょう。

浮かぶ顔や目。

そして地平線や水平線。

「幻視」では画面の中にある枠無にて浮かぶ目玉、それを見ている男女。

「悲しき上昇」では気球の部分が顔でゴンドラ部分に小動物のようなものが乗ってます。

現実ではまったく見ることのない風景で、また空想といっても普通の人が想像するのと全然違うものだと思います。

それゆえに白と黒であらわされた魅力的な世界です。

 

「絶対の探求・・・哲学者」は木炭画ですが、他の作品とはちょっと違う感じがしたのですが、横にある解説を読んでみて私が思ったのは、テーマを無理やり画面に詰め込んだ感じだけの絵に見えてたということです。

 

版画集「エドガー・ポーに」は作品自体も良いのですが、タイトルが哲学っぽくもあるのですがちょっといっちゃた感じがしていいですね。

「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」はルドンのモチーフが全部入ってような作品。

毛玉のような目が気球の部分で、それが斜め上を見ながら水平線を超えて上昇していく。

なんか意味があるのでしょうが、あんまりそんなこと考えずに見た方がいいと思える作品です。

どんよりした海に浮かぶ目玉が、とてもアンニュイな感じがします。

 

その次の版画集「起源」では植物に目玉というのが主体になって、有機的ながら奇妙な感じがもっと強調されてきました。

水辺に生える顔の花の植物達の作品がこの後数枚続きます。

 

この版画集に納められている作品は、人間の表情は何とも無機質な感じして、また眼を扱った題材はなぜか上向きに向いていて、ほとんどの作品に水平線か地平線が描かれています。

それらは総合的に作用して、ひとつの世界を作っていてとても魅力的はあるのですが、文章にすることはなかなかうまくいかないことに気づきました。

上手く言えないからこそ端的に言えば、黒と白の幻惑だったのだと思います。

 

展示作品としてはまだ中盤です。

これから先は幻惑的というよりも幻想的といた方がいいような作風になっていました。

「光の横顔」はとても写実的な女性の横顔がリトグラフで描かれてます。

今までには無い感じの作品で、上品な女性の感じがストレートに伝わってきます。

また同じ人物のでも「老年に」はお師匠さんを描いたものらしいですが、奇をてらったものは一切なくその人物を描ききっています。

 

そんなかんじで作風がちょっと変わったりもしてますが、版画集「夢想」で前のような作品も描いてます。

それでも前みたいに作った造型物ばかりをいれるのでなく、「そして彼方には星の偶像、神格化」みたいに月が男性を囲うように中央に置きなながら、それとはまったくちがう荒野のような背景とそのレイアウトには綺麗に纏めるだけではない、作者の想像性がでていました。

それから単発のリトグラフ作品で一番有名であろう「蜘蛛」がありました。

アニメなどのキャラクターとして出てきてもおかしくない愛らしさが他の作品の雰囲気とは違うのですが、それが作品として好かれている一因かもしれません。

とにかくシンプルな画面なので、見やすいのですが個人的にはこれが特に凄いという感じはしませんでした。

 

これからは日常を描いたような作品が続きます。

「眼をとじて」ですが、これは他の展覧会でも見たような覚えがあります。

同じテーマで何作か作っているようなので、そのうちのどれかをみたのかもしれませんがルドンの作品だとは認識してませんでした。

眼を閉じて首を傾けている感じがとても優しい感じがする、私の好きな作品のひとつです。

 

第二部として「色彩のルドン」がはじまります。

色を使いはじめたのは割と後期みたいです。

「風景」という作品は本当に普通の風景画なのですが、これまでのルドンの作品を見ているとこんなにのんびりした風景画も描けるのかと少々驚きもありました。

「ポール・ゴビヤールの肖像」はパステルで描かれた女性の横顔でその繊細な美しさは現物を見ないとわからない作品です。

パステルの透ける感じが女性の肌のなめらかさを表し、また衣服は必要以上に描きこまないことでふんわりした感じが表現されてます。

また「騎馬兵の戦い」などを見てると同じような雰囲気の作品を前に見たことがあるので、その方はルドンに影響されたりしたのかなと思いながらみてました。

 

静物画も描いてますが、それは「青い花瓶の花々」などの花瓶に飾られた花などです。

これらは何よりブルーが印象的で、また花瓶に飾られているのですが、花々は花瓶内におさまらずそこからこぼれるように咲き誇っているのが、静物なのに躍動感が感じられました。

作品らはほとんどパステルで描かれていて後の大作に繋がっていったのだなと思いました。

 

またルドンが色彩をもって描いた作品でも何点か幻想的なものはありしたが、やはり白と黒の世界とは違うなと感じました。

 

そして今回のルドンのメイン「グラン・ブーケ」はさすがとかいいようないです。

油ではなくパステルでこれだけの大きさの作品は見たことがありませんでした。

パステル独特の発色のよさがモチーフを引き立て、画面にこぼれあふれる花々がとても綺麗です。

これほどの作品が今まで個人所有で食堂に飾られていたのはすごいと思います。

 

最後は「ルドンの周辺」でこれはルドンに関係したりした方々の作品がありました。

ルドン版画の師匠にあたるルドルフ・ブレンダはちょっと幻想的で緻密な版画を作成した方のようです。

隅から隅まで見応えがありました。

 

あと個人的に見れてよかったは、エドヴァルト・ムンクの「マドンナ」は思い出のある作品なので一度本物が見たかったので今回はたまたまでしたが見ることが出来て良かったです。

あと「ヴァンパイア」は現在活躍してる画家の作風にとても似ていて、モチーフも同じような感じでもありその方はこの作品に感化とかされているのかな?とも思いました。

 

あとは、ジョルジュ・デヴァリエールの「アフロディテ」は小さい作品ながら画面の豪華さと繊細が際立っていた作品で気にいりました。

アフロディテの立ち姿がいいですね!

 

他にもたくさんの作家の作品がこの3部にて飾られていましたが感想は省きます。

 

 

さてはじめて行った美術館では、美術館自体の感想も書いているのですが、今回三菱一号館美術館ははじめてなので感想を書きたいと思います。

何年か前に普通に使われていたレンガ建築を改築して美術館にした建物なので、色々と不便なところが!

HPにも書いてあるのですが、床が靴によってはかなり足音が響きます。

また暖炉だったものが残っているため、その上に作品を飾ることになるとかなり目線が上になり見づらく、また絵によっては光ってしまってます。

美術館自体は3階建てなのですが、変則的に部屋を仕様しているのであちらこちらに廊下を歩きまわれる感じがどうしてもしてしまい、最後を見据えながら時間調整して作品をみようとするとフロアが分かれているので思わず「ここまでか?」と錯覚してまだ先があったと焦ってしまいます。

部屋自体は割と天井は高いので圧迫感はないのですが、ほとんどの部屋がそれほど大きくないので、入場者数の状況によっては見難い状態になるのではないでしょうか?

(幸いに私の時はそれほど多い数ではありませんでした)

古い建物ですが、会場からは古さは感じられない作りになってます。

また中庭方面は大きなガラス張りになっていて、夜に行ったので夜景が綺麗でした。

 

今回は作品を見るだけで精一杯だったので、次行く時は建物もよくみてみたいです。

 

 

ルドンは良かったのですが、感想が書きにくいですね。

とにかく見て自分で感じろ!というのが一番なのかな?

私の中のルドンは今回の展覧会で少し受け取りました!

 

 


ルドンとその周辺-夢見る世紀末

三菱一号館美術館 グラン・ブーケ収蔵記念

 

会場:三菱一号館美術館

会期:2012年1月17日(火)から3月4日(日)
開館時間:水・木・金 10:00―20:00 / 火・土・日・祝 10:00―18:00
*入館は閉館の30分前まで
場所:三菱一号館美術館 100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2

休館日:月曜日 *2月27日(月)は開館
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:三菱一号館美術館/東京新聞/TBS
企画協力:岐阜県美術館  協力:J-WAVE

http://mimt.jp/redon2012/txt_contents.php#a2

 

 


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