東京都美術館ものがたり(東京都美術館) [美術展感想]
リニューアルオープンした東京都美術館の歴史を展示した作品展です。
会場は2つに分かれていて右手には佐伯祐三からはじまり東京都美術館などで活躍した作家たちの代表作品を1作品づつ飾ってあります。
佐伯祐三はいつものスタイルで外国のオープンカフェみたいなところを描いてます。
私の個人的な印象として佐伯さんの絵は雑でちょっと汚い感じがしていたのですが、実際にみると勢いのある筆遣いのなかにその場の空気を取り込んだ臨場感を感じます。
それから梅原龍三郎はいつもの赤で紫禁城を描いてますし、片岡球子は入選した時の作品みたいで今まで見た作品からはまったく印象の違う画風でした。
赤瀬川原平あたりから現代アートってな色合いが濃くなり、もう作品が飛び出まくっていて知らずにひっかけるところでした・・・・。
意外なのが寺山修司がパフォーマンス?を都美術館でやっていたのですね。
その時の映像と写真が数点飾ってあります。
これみんなどんな状況で見ていたのか想像がつきません。
この自由さは今のニコ動っぽいなと思いました。
船越桂は女性の上半身の木像ですが、欧米人独特の色素の薄い眼球がリアルさを出しています。
これは大理石でつくったものなそうで、真っ白でないところがリアルな要因の一つだと思いました。
締めは日比野克彦ですがダンボール作品がちまちまありました。
大学の卒業制作でいい成績を修めた人は学校の買い上げになるそうですが、「段ボールは保存が難しいから(>Д< ;) 」という理由で買い上げてもらえなかったという理由にはちょっとw
左側の会場には東京都美術館の歴史とそれに関した品が展示してあります。
今の都美術館になる前の模型、設計図、調度品などがあり現在の建物とは全く違うのがわかります。
昔の建物にはあった、皇室の方が休む部屋がこの時点ではありました。
その部屋の名称が「便殿」・・・・。
今の感覚でみるとなんかなんだかね・・・・。
椅子や机などもありますが、一番この時代らしいなと思ったのは剣立という調度品があったことですね。
シンプルながらしっかりした作りの品でした。
後半は現在の都美術館関係の展示です。
調度品は現在でも普通に使われていたものだったかな?
(↑ちょっとうろ覚えですが、カラーリングがそんな感じだった)
あとは設計図と縮小模型がメインの会場になってます。
これを見ることによって外観での改修前と後の変化がわかります。
また他の東京文化会館断面図模型はとても精巧に作られていて、内部までしっかり見ることができるようになってました。
これは本当にすごかった!
展示自体は無料ですし、作品の数も多くはないので他の展示を見に来たついでにみるといいでしょう。
【企画展】「東京都美術館ものがたり」展
■会期:2012年7月15日(日)~ 9月30日(日)
■会場:ギャラリーC
■休室日:毎週月曜日、7月17日(火)、9月18日(火)(ただし、7月16日(月)、9月17日(月)は開室)
■開室時間:午前9時30分から午後5時30分まで(入室は午後5時まで)
■夜間開室:9月21日(金)、28日(金)を除く毎週金曜日は午前9時30分から午後8時まで(入室は午後7時30分まで)
■観覧料:無料
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