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京都―洛中洛外図と障壁画の美(東京国立博物館) [美術展感想]

やっと会期中に感想間に合った(笑)

でもこれ11/8までという期間限定チケットを頂いたからなんですけどね。

 

展覧会自体は全くのノーマークでした。

洛中洛外図自体にそれほど興味がないので、それがメインであろう展覧会にはチケットを頂いてなければ特に行くつもりのはなかったのです。

が、しかしこれがすっごく良かった!!

まあ洛中洛外図は案の定私の予想どおりの内容だったのですが、その他の展示物がとても良かったです。

 

洛中洛外図は多分接近して見ることになろうとは予想していたので、休日の混んでいるであろうが時間はあるときに行こうか、金曜日の夜時間は短くなるだろうけど込み具合はほどほどの時に行こうか迷いましたが、行く時点ではそれほど熱心の見るつもりはなかったので金曜の夜に行ってきました。

 

まず出だしでは、舟木本洛中洛外図の巨大スクリーンでの部分説明的上映(各2分ほどが4面)

真剣に1つづつ見てもいいけど、真ん中に陣取ってざっくりと見ただけです。

ちょっと画面の動きが酔う感じなので真剣に見るとだめそうだったし!!

 

いきなり今回のメインである、舟木本洛中洛外図があります。

状態としては結構悪い感じ。

今回展示していた中では一番賑やかな感じのする絵でしたね。

会期中では7作品ほどの洛中洛外図が展示されるのですが、その半分が前期後期に分かれているので、1度の来場では見れるのは4作品までです。

前期に行ったのでその他の洛中洛外図は上杉本、歴博乙本、勝興寺本と上記の舟木本でした。

洛中洛外図は前にも書いたとおりにそれほど興味はなかったのですが、京の町をそれぞれの視点で描いたということで、これだけ揃うと見比べてその違いや類似点を見つけるのは面白かったです。

特に京都は行ったことがある場所なので、「ここはこれなのか・・・・。」と思いながら見てると現実の京都と多少ダブって見ることができる部分もありました。

上杉本にはこれがたどった遍歴を知ると歴史を感じました。

個人的には勝興寺本が一番見やすくて好きです。

状態も綺麗ですし、建物もしっかり描かれているのでどれがどの建物か見分けがしやすかったです。

 

次の部屋にあったのが、「賢聖障子絵」20面の前期はそのうちの半分が展示してありました。

これが良かった。

中国の有名人?を1面ごとに1人描いたものなんですが、線の動きがどうやったらこんなにも勢いがありながら綺麗にまた繊細に描けるのかというくらいに凄かった。

ほれぼれするとはこいういう事なんだろうなと思いました。

彩色も状態が綺麗で衣の濃淡がこれまたうつくしかったです。

人物描写も良かったのですが、これはちゃんと元の人物を知っていたらもっと見方も変わったと思います。

私が唯一知っている諸葛亮はなぜか頭に謎の波みたいなものを乗っけてました。

 

「賢聖障子絵」の反対側には「群仙図襖」があったのですが、これはちょっと状態も悪かったので、かなり淡泊な感じの絵に見えました。

 

次の部屋では超高精細映像で投射された龍安寺の四季が壁面いっぱいに映ってました。

映像自体は5分ほどですかね?

綺麗は綺麗なのですが、1回みれば十分かな?!

 

次の部屋では、その龍安寺由来の襖絵が5点。

「群仙図襖」では風とともに空に上がっていくお師匠さんを弟子が見守るという絵だったのですが、その風が画面全体に吹いていて、その場にいる人たちはかなりの風に吹き上げられている感じの表現がとても動きがあって見ていて面白かった。

 

そして最後は私としてのメイン、二の丸御殿黒書院一の間「松桜柴垣禽鳥図」「楼閣山水図」黒書院二の間「桜花雉子図」「楼閣山水図」が展示してあります!!

この屏風画障壁画は大政奉還の時将軍が家臣へ決意を告げた場所の絵ですよ!!

今回の展示方法がまたいい。

その部屋の通りに配置がしてある。

床や天井こそ違えど、ほぼ360度現場の雰囲気で絵が見ることができるのです!!

二条城はほとんど使われなかった場所だし、大政奉還時の家臣たちだって周りの絵を見ている余裕などなかっただろうから、こんなにしみじみ見ることができるなんて今生きている私たちだからこそなんですよ。

いま二条城の見学がどんなシステムになっているかは知りませんが、現場に行ってもあれほど近くで見せてはくれないのではないかな?

(まあ今回もガラス越しではありますが!)

 

絵もさすがの作品だと思います。

遠目からみても桜の豪快さのなかに舞い散る花びらの優雅さがあり、近くでみるとその花達は少し厚みのある描き方で重量感が出てるのが分かります。

また色はうっすらとした桃色が花全体ではなく部分的に彩色されているのが上品さを醸し出しています。

金箔の地にそびえ立つ桜の間を流れる川は、それぞれの壁面をつないで描かれているようでした。

桜の間にはそれぞれのタイトルにもなっている、小鳥やキジ達が遊んでいる?姿が愛らしい。

またちょっとした角(あれなんていえばいいのだ??)や画面の隅に描かれた草花がまた画面にアクセントを加えていて、それを見つけるのも楽しかった。

 

上段は水墨画で襖を引き立たせるためか、さっぱりとした構図に色彩です。

退色もしてるのかな?かなりぼやけた感じで、さらっと見ただけでしたね。

 

今回の展示は前に書いたとおりに室内の再現をした配置になっています。

手前にガラスはあるのですがそれも2段になっていて、室内では梁の部分にガラスを2段に分ける格子が同じ太さであるので間近で上段を見上げるとその部分で隠れて絵が見えなくなってしまいます。

今回その部分はちょっとなんとかしてほしい点ではありましたね。

 

一の間と二の間の間に立って周りを見渡す。

一の間からだと将軍気分が、二の間からだと家臣気分が味わえて、また全方位で素晴らしい絵が。

極楽気分でしたね。

たった3時間しかいられないのが残念でした。

でも人が多すぎて絵が見えない時にいっても面白くないですし・・・・。

(私がいた時点は人もかなりまばらな感じになってました。)

 

最後は大広間四の間の「松鷹図」です。

これ前に行った二条城展でもあったような・・・・。

武家の襖絵でありながら、雄々しさというものがあまり感じられない鷹の絵なんですよね。

でも画面いっぱいに広がる松の木が重量感をだしていて、色味もほとんど緑と茶で占められているので、華やかさはないのですが大広間という場所にはふさわしい絵なのでしょう。

作品は2面分しかなかったのですが、部屋の端に立ち脳内補正も働かせて半バーチャル世界を楽しんでみました!

 

思わぬ機会に恵まれて行った展覧会ですが、とても良かったです。

でも閉館間際にちょっと気になったことがあったので、近くにいた会場の学芸員の方に質問したら別の答えが返ってきたので、再度質問内容を丁寧にして聞くとその質問には答えられず・・・・。

会場の受付にいる方に聞いて下さいと言われたのですが、実物を前にしてしゃべらないと私では伝えられないような気がしたのでそのまま帰りました。

私営の美術館でバイトで雇われた監視要員ではなく、国立の博物館で働く職員なのだから私のたいしたことない質問ぐらいにはすんなり答えられるぐらいの知識をちゃんと勉強したうえで働いてほしいし、博物館もちゃんとした教育するべきだと思いますよーぅ。

 

作品点数こそ少ないですが、見応えのある展覧会でした!

 


日本テレビ開局60年 特別展「京都―洛中洛外図と障壁画の美」

開催概要
 
会  期 2013年10月8日(火) ~ 2013年12月1日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
 (ただし、会期中の金曜日および、11月2日(土)、3日(日・祝)は20:00まで、11月4日(月・休)は18:00まで開館)
休館日 月曜日
 (ただし10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)、11月5日(火)は休館)
観覧料金 一般1500円(1300円/1200円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
中学生以下無料
* ( )内は前売り/20名以上の団体料金
* 障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
託児サービス 会期中(2013年10月~11月)、託児サービスを実施します(事前予約制)。
 詳細は「東京国立博物館 託児サービスのご案内」ページをご覧ください。
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、日本テレビ放送網、読売新聞社
特別協賛 タマホーム
協  賛 光村印刷、日本興亜損保
協  力 全日本空輸、日本貨物航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、シーエス日本、ラジオ日本、J-WAVE、文化放送、テレビ神奈川、楽天トラベル、 京都市
 
技術協力 キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン、JVCケンウッド、凸版印刷
カタログ・音声ガイド 展覧会カタログ(2500円)は、平成館2階会場内、および本館1階ミュージアムショップにて販売しています。音声ガイド(日本語のみ)は500円でご利用いただけます。
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会ホームページ http://www.ntv.co.jp/kyoto2013/ 


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