生きるための家展(東京都美術館) [美術展感想]
一般公募選出された39の作品展です。
タイトルが「生きるため」とあるので、震災を意識した作品も多かったのですが、生きるためとはもっと広意義にとらえてよかったのではとは思いました。
それでも、直接的なイメージをさせる作品はほとんどなくて割と面白い発想の作品ばかりだったと思います。
なので生きるための家と言いながら「こんな家には住めませ~ん(>_<)」という作品ばっかりです(笑)
最優秀賞を取った作品はヘタすると某匠が作りそうな感じの作品でした!
何本もの柱と2階4階は床が水平ではなく角度がついてます。
それが実物スケールで再現されているのでなかなか面白かったです。
作品は模型とコンセプトを書いたパネルで構成されています。
最優秀賞のみ実物スケール再現されていました。
この実物大スケールの展示物がなかなか面白かった。
住みたくはないけど(笑)別荘とかにツリーハウス気分で過ごすのにいいなと感じました。
模型では屋根がありますが実物大スケールでは壁と屋根が省かれているのでとっても解放感があります。
その上、お風呂とトイレは最上階!!
全部丸見えで建築物としての現実感はないですが、夢は感じます!!
ところどころに生えている草もいい雰囲気をだしてました。
他は前に書いたように、模型とパネル展示のみ。
「吹き抜けのある共同生活」はひたすら高い!!
あの展示場でないと展示できない作品でしたね。
上部の中がみえないな~!!と思ったのですが、B1にあるトイレにいく途中のところで中は見ることができたりします。
「階段で作る家」は模型だとダンボールでふにゃふにゃしているので、パネルのCGの方が綺麗でわかりやすかも!
現実に出来そうでまったく実用性がなくて面白かったのが、(タイトルが分からなくなってしまった・・・)家と家の隙間に家をつくる(幅約1mだそうだ)
模型をみたけど、ひたすら長くて蟻の巣みたいだった。
まったく機能性どころか、どうやって暮したらいいのかわからないけどこの狭さで住宅と呼んでしまうのが面白い。
模型では他の既存住宅に阻まれて中央部分がみれなかったのが残念。
あとまたタイトル不明になったけど、箱を積み上げた感じの家。
ああいう「とりあえず乗っけました」的な九龍城みたいなのは好みですね。
「道が通り抜ける家」は模型をみたら本当に1本の道が2階まで通り抜けて反対側に通じていた。
エッシャーの絵をみているような感じです。
「集合しようとする住宅」もそうなんですが、丘とか斜面、自然を強調させた作品が多かったように思います。
特にこの作品の斜面の使い方はフランク・ロイド・ライトの作品を連想させる感じでした。
(私の勝手な印象なだけです!)
「一本の大きな木の中に彫りながら棲む」とか「窪みに住まう~天井のピースがつくる居場所~」なんかはざっくりとしているという印象です。
他にも住宅といえるのか?という不思議な作品がいっぱいありました。
この展覧会は写真撮影自由なので皆さんあっちゃこっちゃで結構撮ってました。
公募展としてはまれな種類に入ると思いますし、住宅の模型という割とわかりやすい主題なのでさっくりみて楽しむのもいいと思います。
もっといえば最優秀賞の実物大スケールは会場外から丸見えなのでタダで見れます(笑)
【企画展】「Arts&Life:生きるための家」展
■会期:2012年7月15日(日)~ 9月30日(日)
■会場:ギャラリーA・B
■休室日:毎週月曜日、7月17日(火)、9月18日(火)
(7月16日(月)、9月17日(月)は開室)
■開室時間:午前9時30分から午後5時30分まで(入室は午後5時まで)
■夜間開室:毎週金曜日(ただし、9月21日(金)、9月28日(金)は除く)は午前9時30分から午後8時まで(入室は午後7時30分まで)
■観覧料
一般600(500)円、65歳以上300円、学生400円、高校生以下は無料。()内は一般20名以上の場合。
*身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添の方(1名)は無料。
*7月18日(水)、8月15日(水)、9月19日(水)は「シルバーデー」とし、65歳以上は無料。
*毎月第3土・日曜日は「親子ふれあいデー」とし、都内在住で18歳未満の子を同伴する保護者は一般料金の半額。
二条城展(江戸東京博物館) [美術展感想]
二条城行ったことないので行ってみたいですね~!
今回の二条城展は美術品だけではなく、二条城の歴史もたどる展覧会になってました。
なので展示物は徳川家康が二条城を築城した1603年から明治期ぐらいまで大体歴史順に展示してあります。
今二条城は改装中なのですかね?
入口すぐに鯱瓦などが置いてあるのですが、門に使われている「唐門欄間彫刻 松竹梅に鶴と亀」は普段は近くでは見れないとてもきれいで細かく出来ている欄間でした。
あとは徳川家の肖像画?とか洛中洛外図が多いですね。
秀忠の娘が後水尾天皇へお嫁に行った時の場面の洛中洛外図なのですが、相当のお祭り騒ぎだったのでしょう。
歴史的価値はどうなのかはわかりませんが、美術品としては普通という感想しかありません。
他は二条城の図面が多かったですね。
何度か増改築と改築予定してして計画が無くなって図面だけ残っているものとか。
昔の図面で見るのが難しいので、展示の最後に現在の二条城の図面が展示してあるのでそれと比べるとどんな変化があったのかわかりやすいのかもしれません。
私はあんまり興味ないのでさらっとみたぐらいですね。
工芸品では釘隠しの作りが精巧でよかったです。
ああいう職人技は見ていて飽きないです。
歴史的書類などもあります。
なんかに任命したとか、大政奉還の時の慶喜の文章とか・・・・・。
(この辺疎いので正確な情報はHPとか会場とかで確認してください)
今回の私のメインは襖絵です。
と、その前にこの会場近くになるとなんかギシギシうるさいのですよ。
本当耳障りだなと思っていたのですが、二条城の鴬張りの床の音を録音して流していたものでした。
もうちょっと別のやり方はなかったのかな~と思った次第です。
さて襖絵ですが思っていたよりも展示数は少なかった。
ものがでかいだけに点数はそんなになかった印象です。
全体的にとても狩野派らしいなという作品ばかりで、単体で見ると印象が薄いですね。
なので個別の感想はしませんが多分今回のどメインにだったろう「松鷹図」ですが、型をしっかり押さえた作品で重量感はあるけど・・・・というのが私の感想です。
松の葉がもやもや描いてあるだけかなと思ったらさっさと細かい葉が描きこまれていました。
部屋ごとにカラーが違っていてそれに合わせて襖絵も描かれているようなので、同じ建物とはいえ全然印象が違う絵ばかりでした。
これから後は徳川終焉期に二条城が使用されたのでそれ関係の品々や、それにゆかりのある方たちの絵や品などの展示です。
最後の最後に「松鶴図」があるのですが、これは1847年の作品なので前にある作品よりかなり写実的になり、鶴の子どもなどのリアルさと動きは躍動感があった。
でもなんだか全体的な硬さが抜けないのは、その場所に合う絵をはずの絵を美術館なんかで見ているせいなんでしょうか?
最後の二条城の説明パネルは今回展示してある品がどこにあるのか理解するのにとっても役に立ちました。
美術館で手を抜いて襖絵を見ようとしたせいでしょうかね?
あんまりこれと言った作品に出合えませんでした。
それと思ったより作品展示数が少なかったように思います。
これであの金額はちょっと高い感じかな・・・。
今度はぜひ本当の二条城で現場の作品をみてみたいと思いました。
おまけ
天地明察の展示会があったので行ってみたら映画での小道具(大道具?)が展示してありました。
小説読んでたのだけど実際にこれらの観測機器を作るのは大変だったろうなと思った!
会期
2012年7月28日(土)~9月23日(日)
会場
江戸東京博物館 1階展示室
開館時間
午前9時30分~午後5時30分、土曜は午後7時30分まで (入館は閉館の30分前まで)
休館日
毎週月曜日。ただし、8月13日、9月10日、17日は開館
主催
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都江戸東京博物館、京都市、読売新聞社
博報堂DYメディアパートナーズ
協賛
プリントパック、光村印刷
映像協力
凸版印刷
--------------------------------------------------------------------------------
二条城展観覧券
二条城展・常設展共通券
二条城展前売券
一般
1,300円(1,040円)
1,520円(1,210円)
1,100円
大学/専門学校生
1,040円(830円)
1,210円(960円)
840円
中学生(都外)/高校生/65歳以上
650円(520円)
760円(600円)
450円
小学生/中学生(都内)
650円(520円)
-
450円
※( )内は20名以上の団体料金。
※共通券は江戸東京博物館のみで販売いたします。
※小学生と都内に在住・在学の中学生は、常設展観覧料が無料なので、共通券はありません。
※次の場合は観覧料が無料です。未就学児童、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方と、その付き添いの方(2名まで)。
http://nijo-castle2012.jp/index.html
東京都美術館ものがたり(東京都美術館) [美術展感想]
リニューアルオープンした東京都美術館の歴史を展示した作品展です。
会場は2つに分かれていて右手には佐伯祐三からはじまり東京都美術館などで活躍した作家たちの代表作品を1作品づつ飾ってあります。
佐伯祐三はいつものスタイルで外国のオープンカフェみたいなところを描いてます。
私の個人的な印象として佐伯さんの絵は雑でちょっと汚い感じがしていたのですが、実際にみると勢いのある筆遣いのなかにその場の空気を取り込んだ臨場感を感じます。
それから梅原龍三郎はいつもの赤で紫禁城を描いてますし、片岡球子は入選した時の作品みたいで今まで見た作品からはまったく印象の違う画風でした。
赤瀬川原平あたりから現代アートってな色合いが濃くなり、もう作品が飛び出まくっていて知らずにひっかけるところでした・・・・。
意外なのが寺山修司がパフォーマンス?を都美術館でやっていたのですね。
その時の映像と写真が数点飾ってあります。
これみんなどんな状況で見ていたのか想像がつきません。
この自由さは今のニコ動っぽいなと思いました。
船越桂は女性の上半身の木像ですが、欧米人独特の色素の薄い眼球がリアルさを出しています。
これは大理石でつくったものなそうで、真っ白でないところがリアルな要因の一つだと思いました。
締めは日比野克彦ですがダンボール作品がちまちまありました。
大学の卒業制作でいい成績を修めた人は学校の買い上げになるそうですが、「段ボールは保存が難しいから(>Д< ;) 」という理由で買い上げてもらえなかったという理由にはちょっとw
左側の会場には東京都美術館の歴史とそれに関した品が展示してあります。
今の都美術館になる前の模型、設計図、調度品などがあり現在の建物とは全く違うのがわかります。
昔の建物にはあった、皇室の方が休む部屋がこの時点ではありました。
その部屋の名称が「便殿」・・・・。
今の感覚でみるとなんかなんだかね・・・・。
椅子や机などもありますが、一番この時代らしいなと思ったのは剣立という調度品があったことですね。
シンプルながらしっかりした作りの品でした。
後半は現在の都美術館関係の展示です。
調度品は現在でも普通に使われていたものだったかな?
(↑ちょっとうろ覚えですが、カラーリングがそんな感じだった)
あとは設計図と縮小模型がメインの会場になってます。
これを見ることによって外観での改修前と後の変化がわかります。
また他の東京文化会館断面図模型はとても精巧に作られていて、内部までしっかり見ることができるようになってました。
これは本当にすごかった!
展示自体は無料ですし、作品の数も多くはないので他の展示を見に来たついでにみるといいでしょう。
【企画展】「東京都美術館ものがたり」展
■会期:2012年7月15日(日)~ 9月30日(日)
■会場:ギャラリーC
■休室日:毎週月曜日、7月17日(火)、9月18日(火)(ただし、7月16日(月)、9月17日(月)は開室)
■開室時間:午前9時30分から午後5時30分まで(入室は午後5時まで)
■夜間開室:9月21日(金)、28日(金)を除く毎週金曜日は午前9時30分から午後8時まで(入室は午後7時30分まで)
■観覧料:無料
北斗七星の庭_展重森三玲1896-1975(ワタリウム美術館) [美術展感想]
今回は庭の展覧会です。
庭なんて展示出来ないものをどうやって展覧会にしてるのかを観に行ってきました。
重森三玲は近代の作庭家としては一番有名な方になるのかな?
作庭家として残した作品の数も多いが、既存の庭を並みならぬスピードで多数を調査しまとめた方でもあります。
展示室は3階に分かれていて、実物大の再現された庭もあったのですが基本はパネル展示と庭を映した映像展示になります。
最初の階には代表作である、東福寺の北斗七星の庭と小市松の庭の実大展示がありました。
両方とも実物大と言いながら展示してある場所が狭いので、庭を味わうというよりも配置の雰囲気を味わうという感じでした。
北斗七星の庭は枯山水なのでいいのですが、小市松の庭の苔は少し元気がありませんでした。
小市松といいながら結構四角形がイメージしていたのよりも大きかったです。
八相の庭はさすがに長石を置くことはできないので、実物大パネルを壁に貼っていたのですが、ちょっと違和感のある展示でした。
その他は小河邸の天袋に使われいる引き戸(襖?)の展示や、掛け軸なども数点ありました。
邸宅によっては庭だけなく室内装飾もトータルデザインしていたようです。
波をイメージしたという天袋のデザインがよかったです。
次の階は重森さんが使用した日用品や、出版した書籍、また茶にも精通してたのでその際使用した道具や制作したものが飾ってありました。
書も何点かあったのですが、私はよくわからないのなんとも言えないのですが原形をとどめてない「月」の字が好きでした(笑)
あとここに全国各地の庭を調査したという図面があったのですが、これがすごく綺麗!
描いたのは重森さんではなく、共同で調査に参加していた方の制作でした。
カラス口で精密に描かれていたあの図面はある意味芸術といってもいいのではないでしょうか。
CADではこの味わいは絶対出せないものだと思います。
私は今回の展示物の中ではこの図面が一番気に入りました。
次の階はTVでの映像展示と、プロジェクターを使って3種類の映像を壁面に映しだしていました。
トータルで今回の展示物を見て、重森三玲さんの気になった作品について少し書きます。
東福寺の3つの庭はどれもいいですね。
古典に習いながら、古典に縛られない作品を作るという重森さんの言を実現したものだと思います。
小市松の庭は、市松模様という古典的な模様でありながらそれがだんだん薄れていく様は現代的なデザイン性を感じますし、北斗七星の庭もただの枯山水におさまらず、有機的な曲線と植物の併用で落ち着きながら安らげる庭になっていると思います。
八相の庭はもう作者の想像性の産物としか言いようがありません。
すでにそこに形としてある石をその石があるべき場所に置く。
それは確かに人間の作ったものなのですが、それ以上の物を感じますし、一般にいう物を作るという行為以上のものだと思います。
あのような形をどうしたら組み合わせられるのか、私はわかりません。
漢陽寺庭園は豊富な水を庭に引き込み、その水を使っていくつもの庭を作ってます。
自然にある小川の雰囲気で、夏場だと涼がとれそうな感じの庭です。
また門前には巨石を使った枯山水があるのですが、これまたすごく安定してみられる石の組み方となっていながらその存在感を感じるものでした。
松尾大社庭園では曲水の庭では石を敷きつめることで作られた小川がかわいらしく流れ行く様を、蓬莱の庭は満々と水がたたえられている川とも池ともつかない水の流れをと、水を使いながらも対照的な庭になってました。
また上古の庭には石とともに笹が生い茂り、すでに人間が作ったものではないような、すでに昔からそこに石達があったような雰囲気をだしてます。
友琳の庭はモダンですね。
水と渡り廊下の配置が好きです。
ざっくりと書きましたが、展示作品はこのほか20庭以上あるので見応えはあると思います。
とってももっさりとした庭も作っているのですが、私はシンプルな感じの庭の方が好きです。
さて展示物の感想に戻るのですが、展示方法としてはパネルは文字がほとんどで、映像は流すだけという感じでちょっともの足りなかったですね。
こうもっと庭というものを展示する何かがほしかったです。
映像作品も5~30分が6本あるので見に行く方は少し時間多めに見ておいた方がいいと思います。
映像作品が厄介なのは自分の時間で見れないということですね。
それでも映像とするのなら10分以内にしてほしかったです。
内容的にも(撮影コンセプトとは違っても)被っているものが結構ありましたし!
今度は重森三玲作品の現物を見に行ってみたいです。
追記
初めて行った美術館にはその施設の感想もかいているのですが、ワタリウム美術館は初めてだったので感想書きます。
美術館自体は地下1階地上4階になります。
展示は2~4階部分で、今回はかなり特殊な区切り方していたので部屋自体はかなり狭く感じました。
これが全部解放された状態の展示スペースだとすると、小品には見やすい広さなのではとは思います。
でも1フロア自体ちょっとした教室半分ぐらいになるでしょうか?
各階へはエレベーターか階段で移動。
4階はエレベーターのみ。
階段は夜に行ったので、あまりの暗さにおっかなびっくり上がっていました。
(照明が無いのです。少しすれば目が慣れるので大丈夫なのですが!)
天井はそれほど低くはないので、圧迫感などはありません。
展示施設部分以外では1階と地下1階は物販販売と喫茶スペースになっているのですが、こちらはとても味わいのある空間になってました。
書籍の量がかなり豊富でほぼ2階分を使っての本棚や、えらく狭いのに落ち着く秘密基地みたいなところなどありました。
次は普通の展示時期に行ってみたいですね。
北斗七星の庭_展重森三玲1896-1975
ワタリウム美術館
会期 2011年12月4日(日)― 2012年3月25日(日)
11 時より19 時まで [ 毎週水曜日は21 時まで延長]
休館日: 月曜日
入場料 入場料:大人1,000円 学生800円(25歳以下)
ペア券:大人 2人 1,600円/ 学生 2人 1,200円
(期間中、何度も使えるパスポート制)
主催: ワタリウム美術館/ブルーノ・タウト展実行委員会
助成: 芸術文化振興基金
テキスト,写真 重森千青(重森庭園設計研究室代表)
展示協力 グリーン・ワイズ/三菱レイヨン株式会社/
株式会社堀内カラー/株式会社チェリア
写真協力 The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum/越智信男
会場デザイン 藤原徹平(建築家)
グラフィック グルーヴィジョンズ
映像制作 大房潤一(映像ディレクタ―)
会場音楽 細野晴臣(ミュージシャン )
http://www.watarium.co.jp/exhibition/1111shigemori/index2.html#ar
ルドンとその周辺ー夢見る世紀末(三菱一号館美術館) [美術展感想]
ルドンやるんだー!(´=ω=`)
前Bunkamuraでやったときに見逃したな~!!
いつやるか検索しよう!
(それから数カ月)
やばい!もう会期終了しちゃうよ!!(>Д< ;)
といういつものパターンで終了間際に行くことになった。
ここは水・木・金と20:00までやっているので、土日の混んでいるのは避けて金曜日に行ってきました。
会場は3部に分かれていて、「ルドンの黒」「色彩のルドン」「ルドンの周辺」という会場構成でした。
最初のルドンの黒はルドンの初期作品であり、印象的な版画の数々が飾ってあります。
割と最初は普通の当時よくあるようなエッチング絵でした。
木炭画の方が後で描かれたよな幻想的な雰囲気を醸し出していました。
版画集「夢の中で」になるとルドンの代表的な作品が出てきます。
もう全てがルドンらしい幻惑的な世界だと言ってもいいでしょう。
浮かぶ顔や目。
そして地平線や水平線。
「幻視」では画面の中にある枠無にて浮かぶ目玉、それを見ている男女。
「悲しき上昇」では気球の部分が顔でゴンドラ部分に小動物のようなものが乗ってます。
現実ではまったく見ることのない風景で、また空想といっても普通の人が想像するのと全然違うものだと思います。
それゆえに白と黒であらわされた魅力的な世界です。
「絶対の探求・・・哲学者」は木炭画ですが、他の作品とはちょっと違う感じがしたのですが、横にある解説を読んでみて私が思ったのは、テーマを無理やり画面に詰め込んだ感じだけの絵に見えてたということです。
版画集「エドガー・ポーに」は作品自体も良いのですが、タイトルが哲学っぽくもあるのですがちょっといっちゃた感じがしていいですね。
「眼は奇妙な気球のように無限に向かう」はルドンのモチーフが全部入ってような作品。
毛玉のような目が気球の部分で、それが斜め上を見ながら水平線を超えて上昇していく。
なんか意味があるのでしょうが、あんまりそんなこと考えずに見た方がいいと思える作品です。
どんよりした海に浮かぶ目玉が、とてもアンニュイな感じがします。
その次の版画集「起源」では植物に目玉というのが主体になって、有機的ながら奇妙な感じがもっと強調されてきました。
水辺に生える顔の花の植物達の作品がこの後数枚続きます。
この版画集に納められている作品は、人間の表情は何とも無機質な感じして、また眼を扱った題材はなぜか上向きに向いていて、ほとんどの作品に水平線か地平線が描かれています。
それらは総合的に作用して、ひとつの世界を作っていてとても魅力的はあるのですが、文章にすることはなかなかうまくいかないことに気づきました。
上手く言えないからこそ端的に言えば、黒と白の幻惑だったのだと思います。
展示作品としてはまだ中盤です。
これから先は幻惑的というよりも幻想的といた方がいいような作風になっていました。
「光の横顔」はとても写実的な女性の横顔がリトグラフで描かれてます。
今までには無い感じの作品で、上品な女性の感じがストレートに伝わってきます。
また同じ人物のでも「老年に」はお師匠さんを描いたものらしいですが、奇をてらったものは一切なくその人物を描ききっています。
そんなかんじで作風がちょっと変わったりもしてますが、版画集「夢想」で前のような作品も描いてます。
それでも前みたいに作った造型物ばかりをいれるのでなく、「そして彼方には星の偶像、神格化」みたいに月が男性を囲うように中央に置きなながら、それとはまったくちがう荒野のような背景とそのレイアウトには綺麗に纏めるだけではない、作者の想像性がでていました。
それから単発のリトグラフ作品で一番有名であろう「蜘蛛」がありました。
アニメなどのキャラクターとして出てきてもおかしくない愛らしさが他の作品の雰囲気とは違うのですが、それが作品として好かれている一因かもしれません。
とにかくシンプルな画面なので、見やすいのですが個人的にはこれが特に凄いという感じはしませんでした。
これからは日常を描いたような作品が続きます。
「眼をとじて」ですが、これは他の展覧会でも見たような覚えがあります。
同じテーマで何作か作っているようなので、そのうちのどれかをみたのかもしれませんがルドンの作品だとは認識してませんでした。
眼を閉じて首を傾けている感じがとても優しい感じがする、私の好きな作品のひとつです。
第二部として「色彩のルドン」がはじまります。
色を使いはじめたのは割と後期みたいです。
「風景」という作品は本当に普通の風景画なのですが、これまでのルドンの作品を見ているとこんなにのんびりした風景画も描けるのかと少々驚きもありました。
「ポール・ゴビヤールの肖像」はパステルで描かれた女性の横顔でその繊細な美しさは現物を見ないとわからない作品です。
パステルの透ける感じが女性の肌のなめらかさを表し、また衣服は必要以上に描きこまないことでふんわりした感じが表現されてます。
また「騎馬兵の戦い」などを見てると同じような雰囲気の作品を前に見たことがあるので、その方はルドンに影響されたりしたのかなと思いながらみてました。
静物画も描いてますが、それは「青い花瓶の花々」などの花瓶に飾られた花などです。
これらは何よりブルーが印象的で、また花瓶に飾られているのですが、花々は花瓶内におさまらずそこからこぼれるように咲き誇っているのが、静物なのに躍動感が感じられました。
作品らはほとんどパステルで描かれていて後の大作に繋がっていったのだなと思いました。
またルドンが色彩をもって描いた作品でも何点か幻想的なものはありしたが、やはり白と黒の世界とは違うなと感じました。
そして今回のルドンのメイン「グラン・ブーケ」はさすがとかいいようないです。
油ではなくパステルでこれだけの大きさの作品は見たことがありませんでした。
パステル独特の発色のよさがモチーフを引き立て、画面にこぼれあふれる花々がとても綺麗です。
これほどの作品が今まで個人所有で食堂に飾られていたのはすごいと思います。
最後は「ルドンの周辺」でこれはルドンに関係したりした方々の作品がありました。
ルドン版画の師匠にあたるルドルフ・ブレンダはちょっと幻想的で緻密な版画を作成した方のようです。
隅から隅まで見応えがありました。
あと個人的に見れてよかったは、エドヴァルト・ムンクの「マドンナ」は思い出のある作品なので一度本物が見たかったので今回はたまたまでしたが見ることが出来て良かったです。
あと「ヴァンパイア」は現在活躍してる画家の作風にとても似ていて、モチーフも同じような感じでもありその方はこの作品に感化とかされているのかな?とも思いました。
あとは、ジョルジュ・デヴァリエールの「アフロディテ」は小さい作品ながら画面の豪華さと繊細が際立っていた作品で気にいりました。
アフロディテの立ち姿がいいですね!
他にもたくさんの作家の作品がこの3部にて飾られていましたが感想は省きます。
さてはじめて行った美術館では、美術館自体の感想も書いているのですが、今回三菱一号館美術館ははじめてなので感想を書きたいと思います。
何年か前に普通に使われていたレンガ建築を改築して美術館にした建物なので、色々と不便なところが!
HPにも書いてあるのですが、床が靴によってはかなり足音が響きます。
また暖炉だったものが残っているため、その上に作品を飾ることになるとかなり目線が上になり見づらく、また絵によっては光ってしまってます。
美術館自体は3階建てなのですが、変則的に部屋を仕様しているのであちらこちらに廊下を歩きまわれる感じがどうしてもしてしまい、最後を見据えながら時間調整して作品をみようとするとフロアが分かれているので思わず「ここまでか?」と錯覚してまだ先があったと焦ってしまいます。
部屋自体は割と天井は高いので圧迫感はないのですが、ほとんどの部屋がそれほど大きくないので、入場者数の状況によっては見難い状態になるのではないでしょうか?
(幸いに私の時はそれほど多い数ではありませんでした)
古い建物ですが、会場からは古さは感じられない作りになってます。
また中庭方面は大きなガラス張りになっていて、夜に行ったので夜景が綺麗でした。
今回は作品を見るだけで精一杯だったので、次行く時は建物もよくみてみたいです。
ルドンは良かったのですが、感想が書きにくいですね。
とにかく見て自分で感じろ!というのが一番なのかな?
私の中のルドンは今回の展覧会で少し受け取りました!
ルドンとその周辺-夢見る世紀末
三菱一号館美術館 グラン・ブーケ収蔵記念
会場:三菱一号館美術館
会期:2012年1月17日(火)から3月4日(日)
開館時間:水・木・金 10:00―20:00 / 火・土・日・祝 10:00―18:00
*入館は閉館の30分前まで
場所:三菱一号館美術館 100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2
休館日:月曜日 *2月27日(月)は開館
問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
主催:三菱一号館美術館/東京新聞/TBS
企画協力:岐阜県美術館 協力:J-WAVE
http://mimt.jp/redon2012/txt_contents.php#a2
日本の美・発見 Ⅳ 長谷川等伯と狩野派(出光美術館) [美術展感想]
今回は会期中に間に合うのか!!
(あーでもあと2日しか残ってない~(>Д< ;) )
長谷川等伯と狩野派の展覧会をやっているというのを、題名のない音楽会でやっているCMで知りました。
いつまでなのかな~?!とネットで調べるとすでに10月からやっていて会期は残り2週間!!
ということで、私得な企画なのでいそいそと行ってきました!
出光美術館も今まで来たことがかったのですが、ここもメインは陶芸品らしくて、ほとんど絵画しかみない私はあんまり縁がなかったところです。
入場料は1000円ということで、あんまり大きくはないのだろとは思ってました。
企画展では3室。
それもほとんど屏風作品だったので展示点数はそれほど多くありません。
でも私としてはこれぐらいの金額でこれぐらいの量が見やすくて好きです。
第1室に今回のメインどころがそろってます。
その中でも狩野派側なら「桜・桃・海棠図屏風」長谷川等伯なら「竹虎屏風図」が絶品でした!!
「桜・桃・海棠図屏風」は狩野長信作で八曲一隻には迫力と優美さを備えた桜・桃・海棠が描かれています。
3本の木があるのだけど、私はてっきり真ん中が桃だと思っていたのですが、画像検索すると色は海棠も濃い目の桃色なんですね。
でもおぼろげな花びらの形からして、左端の木が海棠かな・・・・。
この時代の手法によくある樹木を手前に大きく描くというのはそれほど大げさではなく、桜と桃はほぼ同じ大きさで右端に書かれ枝葉が左画面へとのびてます。
可憐な花が咲き誇り、その精密と華やかさがとても魅力な作品です。
そしてただ桃と桜を描いただけでなく周辺への構成がまた素敵で、メインになる木々を全部は描かずに上部は金雲で隠すのがまた想像の余地をもたせているように思います。
また左画面からも金雲の間から海棠?の枝がひょっこりのびて、画面全体がいい具合に満たされいます。
下部には草本類がありますが地面にちょろりと生えてる様が、桜と桃ほど主張してせず勢いのある2つに比較して可憐さを増しているように思います。
その他金雲の間の風景、桃と桜の根元にある石の配置など絶妙さ加減がなんとも言えませんでした!!
そして「竹虎図屏風」は勢いのある絵ですね。
右隻の虎は会場の説明にもあるとおり、風に吹かれているのをにらみつけるというかやり過ごしている様にみえます。
その表現が虎はもう筆の運びから風の強さを感じますし、等伯にみられる筆の勢いがある竹が左画面にあるのですがそれが大げさではないのだけど風の強さを表すように葉っぱが揺れています。
そして薄墨での風の表現。
虎は何より顔が良いし、四肢のバランスがよく猛々しく表現もされていますが、その身体つきはスタイリッシュに感じました。
左隻は愛くるし虎の図というところですが、ネコのしぐさを元にしたのかなんとなく不自然さを感じます。
その以外でも、左側の竹林は他の人の(狩野派)描き足しになっているので、明らかに等伯の画風とは違っています。
左隻は悪いと言うわけではないのですが、右隻ほどの魅力は感じませんでした。
他第1室にある作品では、「鷲捕兎図屏風」はあまり鷲にも兎にも迫力が感じられないのですが、右下に流れる小川の描き方が好きでした。
「花鳥図屏風」(元信印の方)は明らかに通常の狩野派の画風とは違い、また画面に情報量が詰まった作品でした。
嫌いではないのですが、もっと構成物が少なくてもよかったのでは?と思える作品です。
第2室に行きます。
ここでは長谷川等伯・狩野派に影響を与えた、能阿弥などの作品が飾られています。
牧谿の「叭々鳥図」が小品ながら鳥の愛くるしさがでていて好きでした。
最後の第3室が一番大きい会場となってます。
狩野派(狩野常信)と長谷川派両方で「波濤図屏風」があるのですが、なんか両方ともちょっとくどい感じになってますね。
でも作品自体並んでますし、両派の違いを見比べるのには絶好の機会だと思います。
「麦・芥子屏風図」(狩野重信)私の時は左隻が飾ってあったので芥子図の方ですね。
画面自体はスクっと伸びている芥子がリズムよく並んでいて、後ろにちょこっと麦もあります。
単純な構成ながら、赤と白の芥子の花と背丈の違いにより画面に動きを感じるものでした。
色としては3色見えるのですが、少々濁ったような黄色は剥離したものなのかな?
最後はやまと絵の傾向として「柳橋水車図屏風」(長谷川派)がありましたが、比較としての「宇治橋柴舟図屏風」と比べても金伯の使い方が大胆で、屏風いっぱいの橋は迫力でした。
ほか会場には常設なのかな?工芸品がかなり飾られいます。
また別室には陶片室という、アジアなど世界各地から集められた陶片が展示されます。
古今東西、時代もいろいろで、好きな方、資料がほしい方には貴重な場所だと思います。
私はざっとみただけですが、高麗青磁が好きですね。
あとまた別室としてルオーとムンク作品も飾ってあります。
(そして、茶室と茶道具の展示もあるのですが、遠すぎて良く見えなかった)
ここの美術館の特徴に皇居が一望できて、なぜか無料の給茶機があるので絵を見た後に一服できます。
これはちょっとうれしいサービスですね。
さて会場も2巡したら閉館時間間際になりした。
30分前に閉館のアナウンスがあったので「10分か5分前ぐらいにはアナウンスあるだろう」と3巡目を適当にしていたら、5時にいきなり閉館のアナウンス!!
えっ(゜Д゜;)
っとなったのですが、とりあえず最後の一目第1室の作品をみたいと戻ったら、すでに会場は真っ暗に!!
orz・・・・。
最後一目「桜・桃・海棠図屏風」を目に焼き付けたかった!
いつかまた会えたらいいなー!
以上で今回の感想終了です。
今年はこれで美術館納めになりそう!
来年も素敵な作品に沢山出会いたいです。
日本の美・発見VI
長谷川等伯と狩野派
2011年10月29日(土)~12月18日(日)
開館時間
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜日は午後7時まで(入館は午後6時30分まで)
会期・開館時間等は都合により変更することがあります。最新情報は当ウェブサイトまたはハローダイヤル(03-5777-8600)でご確認ください。
入館料
一般1,000円/高・大生700円(団体20名以上 各200円引)
中学生以下無料(ただし保護者の同伴が必要です)
※障害者手帳をお持ちの方は200円引、その介護者1名は無料です
休館日
毎週月曜日
電話番号
ハローダイヤル
03-5777-8600(展覧会案内)
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html
没後100年 菱田春草展 ─新たなる日本画への挑戦─(長野県信濃美術館) [美術展感想]
行こうかどうか悩んだけど、長野まで足を延ばして行ってきました!
展覧会は一期一会だから、情報知った時点で行かないと巡回するかどうかわかってないのはもう一生みることは出来ないかもしれないからなー!
信濃美術館は隣の東山魁夷美術館と隣接接続してます。
入場券購入時に共通入場券が買えます。
(ので、今回は共通入場券にしました。)
この美術館来るのは久しぶりで、前回いつ来たのか覚えてません。
かなり年数の経った感じの建物です。
作品は年代順に並べられてました。
1899年以降かなりの早さで作品を制作しており36歳で夭折しましたが、今回の展覧会では結構な数の作品が展示されました。
菱田春草といえば朦朧体の描法を開発した人のひとりですが、今回は初期の作品から順に追っていくことによってどのように確立していったのかというのを垣間見ることができます。
初期作品は忠実なる日本画ですね。
その中でも「海老にさざえ」はその写実性と海老とさざえの鮮やかさが印象に残る作品です。
さざえって地味に見えるけど、貝の表面に藻などがついていて彩りがありました。
「五郎時致」は武士を描いたものなのですが、あまり見ない感じの構図でした。
今回メインのひとつ「水鏡」ですが、一人の女性が水辺にたたずんでいて画面の1/3はその女性が映り込んでいる水辺という絵です。
菱田春草は細密な描写がうまいと思うのですが、この女性でも細部の布の質感、宝飾品の描き込みなどがしっかりしています。
また、ここでは朦朧体の技法が如実に出ています。
特に水に映り込んだ女性は線がほんとない描写で幻想的な表現がなされてました。
そしてなにより全体的な構図がいいですね。
まだここでは朦朧体というものについて試行錯誤していたようです。
「月下狐」は狐が可愛いです。
ススキの中で月を見上げている感じなのですが、春草独特の柔らかいタッチがススキと狐の描写に使われて秋の野なのにさびしい感じがしません。
「薊に鳩図」でも鳩の動きと背後のアザミの配置が縦長の掛け軸の構図にぴったりとはまってます。
「瀑布(流動)」などは朦朧体の特性を最大に生かした作品だと思います。
水しぶきがすでに霧状になりながら流れている滝。
それ自体は水の表現と相成り朦朧としているのですが、周辺に飛ぶ紅葉が滝の勢いも表現しています。
それでいながら滝壺を超えた水面は穏やかな水の表情と、水のあらゆる状態を描き切っているように思います。
そして今回のメインその2「羅浮仙」
これも元になる物語がある作品だそうな!
現世離れした存在がその描き込みと彩色により表現されてます。
ふんわりした画面なのに描き込みと小物を配置した構図にて安定感も出しています。
個人的には羅浮仙よりも水鏡の方が好きですね。
(でも後ろの梅の配置や岩などは絶妙の構図だと思います)
「月下波」は波の表現が秀逸ですね。
波と月を主題にしていながら渡り鳥の飛翔がアクセントとなっている。
画面何処を見ても素敵なのだが、やっぱり波に目を引きつけられる作品です。
「栗ニ雀之図」
やっぱりこの方の動物はかわいいですね。
ちまっとした雀に栗の木の配置がシンプルながら好きです。
「黒猫」
これは有名な方の黒猫ではない方です。
あっちは気の幹にちまっと座ってますが、こちらは地面にふにゃっと立ってます。
なんとなくネコが弱い感じ(いろんな意味で)がしますが、黒のもっさりした毛並みやあのくりっとした明るい瞳は同じ感じです。
木のすぐ下に立っているのでなんとなく所在なさげな感じがするのは気のせいでしょうが。
タイトル別の感想はここで終わります。
全体的には水、雨などが画面に入っている作品は好きなものが多かったです。
(「雨(山路)」や「帰漁」などは雨が降っている時の独特の薄暗さと、そこにいる人間のちょっとした寂しさみたいなのが表現されていて好きです)
そしてなぜか砧を扱った作品も多くて、今回の作品紹介のところで砧の意味を知りました。
(今まではというと砧=公園の名前という感じでした(笑))
これもなぜか女性が野っぱらで一人砧を打っているというさびしげな絵が多かったですね。
今回作品数も結構あったのですが、意外にさっぱりというかあんまり描き込んだりしてないような作品が多かったように思います。
個人的には描き込んだ作品の方が好きですね。
もう時間が経っての感想書きは辛いというのを実感した。
まあまたやっちゃうのだろうけど。
美術館本体についての感想を少々。
年数が経っているというのは冒頭に書きましたが、それゆえ照明がいまいちなんですよ!
作品によっては映り込みが激しくて・・・・。
前2つ行った美術館が新しくて設備がいいだけに気になってしまいましたね。
あと第一室の上には子供用の遊具が置いてあるスペースがあるのですが、これがすごい音がする!!
見ているこっちとしてはうるさくてしょうがない!
一周した後そのスペースがある近くに行ったら、うるさくなりますがご協力下さい。みたいなこと書いてありました。
多分子どもも一緒に楽しめるように、もしくは子どもにも楽しめる美術館にするための企画なのだと思うのですが、本来一番楽しまなければいけない人が不愉快になる企画は本末転倒だと思うのですが・・・。
でもあんまり人がいないので、もしうるさいと感じた方はしばらくしたら静かになってるかもしれないので、第一室を後回しにするのがおすすめです。
東山魁夷美術館にも行ってきたのでちょこっと感想。
今回は本作品ではなく習作やスケッチがメインの展覧会でした。
(シーズンごとに展示作品が変わる美術館です)
「白馬の森」が本制作ではあり、私がよく知っている東山魁夷作品という感じでした。
この白馬シリーズ嫌いではないのだけど、個人的はあんまりくるものが少ない作品なんですよね!!
「夕静寂」は本作品でも大きなもので、今回の展示物ではこれが一番気に入りました。
その題名のとおりに静寂を思わせる青に、一筋の流れる滝!
山というか森の構成が同じ色調ながら、単純な組み合わせにならず画面の変化がとてもいいです。
その他スケッチ、下図なども同時に公開してありましたのでそれらと比べながら見ることができました。
その他下図などだけがあり、本作を見てみたい作品もありました。
スケッチ等は長野の古民家などを描いた普通のものなんですが、自然物の印象が強い東山魁夷なので、当たり前なのですがスケッチなのにかなりの完成度でちょっとびっくりしました。
あと最後のビデオ上映室に飾ってあったタペストリーが東山魁夷が描いた絵を元につくられらのですが、これ私が国立近代美術館で見て気にいった作品でした。
(多分「秋山」風な題名だったとおもう)
単純な構図なのだけど、迫力がある山でまた秋のにぎわいが感じられるのが好きでした。
ざっとこんな感じで感想終わります。
菱田春草はまた展覧会があったらいきたいなー。
ではこれにて失礼!
没後100年 菱田春草展 ─新たなる日本画への挑戦─
基本情報
会期2011年9月10日(土) - 2011年10月16日(日)
休館日毎週水曜日
開館時間9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場長野県信濃美術館 第1・2・小展示室
観覧料大人1,200(1,100)円、大学生1,000(900)円、高校生以下無料
※( )は20名以上の団体料金
東山魁夷館との共通料金=大人1,500円、大学生1,100円、高校生以下無料
※「菱田春草没後百年記念特別展」(飯田市美術博物館9/3-10/2開催)の半券をご提示いただくと、団体料金でご覧いただけます。
主催長野県、長野県信濃美術館、信濃毎日新聞社
共催長野県教育委員会
あこがれのヴェネチアン・グラス-時を超え、海を越え(サントリー美術館) [美術展感想]
展覧会会期は過ぎてしまいましたが、少し感想書いておきます。
前回の刀剣と違って形に違いがあるので、まだ個別に記憶が残りやすいので多少はましな感想を書いておきたいと思います。
(多少ましなだけです!!)
サントリー美術館は好きな美術館のひとつです。
会期終了間際の土曜日に行ったのですが、閉館時間が8時までなのでゆっくりと見ることができました。
また会場の混み具合もほどほどで、他のお客さんで見れない展示物も時間をずらして見直しに戻ればしっかり見れます。
ヴェネチアン・グラスの技術(無色のガラス作りとそこへの彩色)は16世紀にヴェネチアのムーラノ島で確立されて、門外不出の秘術として長年その島でのみ制作されてきました。
16世紀のガラス作品なので、現代のガラスを見なれている身としては洗練さが足りないなというのは率直に感じます。
しかしながら、時代背景も込みでその作品を見るとその繊細がよく感じられました。
第1室はこのムラーノ島で作られた初期のオリジナルという作品が飾ってありました。
基本はゴブレット型が多くまたそれが実用品として多く出回っていたのだと思います。
透明ガラスにエナメル色彩の作品もあったのですが、こちらは色ムラもありぺったりとした色彩は私好みではありませんでした。
またすごーく使いづらそうな船形水差もありましたが、もう今となっては持ち上げると壊れそうな不安定な造型です。
そんな中で気にいったものでは、「ダイヤモンドポイント飾り脚付鉢」はいわゆる硬いものでガラスの表面を引っ掻いて模様をつけるたもので、他の作品と比べても繊細さが出ていました。
そして今回の一番の目玉だと思うのですが、やっぱりレースグラスは良かったです。
形はゴブレットが多く、チラシの写真でも使われていた作品です。
このレース模様どのようにできているのかじっくり見たのですが、模様の変わり目でそのまま裏側に白の線がいっているように見えるのです。
(上手く説明できませんが・・・・)
普通ガラスだと吹いて形を整えるというのを想像するのですが、それだとこの模様の形が形成されるはずがありません。
美術館を出てからレースグラスの製法を記述したものがあったので読んでみたら、器の形にする前に透明ガラス棒と白ガラス棒をねじったりして元になるレースのガラスを作るのだそうです。
ただそれからあのなんの継ぎ目もないゴブレット型にするのは謎のままです。
それにしてもあのレース模様にゴブレットの形は繊細でとても上品。
模様も何処を見ても破綻してなくて、その連続性と規則性が調和しています。
確かにガラス自体に年代を感じますが、その優美さを劣化させるものではありません。
ゴテゴテした飾りが好みでない私はこのゴブレットは展示物の中で一番好きなものになりました。
もちろんこれ以外でも鉢・皿などありますが、小さい作品の方が繊細さが際立っていて好きでした。
複雑な形が無いのは、多分複雑に作れないからなのかもしれませんね。
絵の展示物としてはムラーノ島が描かれたエッチングがありました。
これってヴェネチアにある島のひとつということのなのでしょうか?
かなり小規模の島だったみたいです。
(ここからしばらく文章放置しての続き書きです)
次の部屋ではこれらムラーノ島で考案されたガラス技術がか海外へ流失していき、現地の技術と融合して新たらしい作品が生まれていったもの達がありました。
そろそろ記憶の限界がきてまして、もう作品が本当におぼろげになってきているのですが、全体的に初期作品はムラーノ島よりも洗練されていません。
(ドラゴンステム・ゴブレットのドラゴン部分がいびつだったりしています)
しかし時代がすすむにつれてオリジナルと遜色ないものになっていきました。
その中で一番気に行ったのはやっぱりレースグラスで、正式名称と制作はチェックしてないので私の手元の資料ではわからないのですが、今風に言うとシャンパングラスみたいな細身のグラスです。
そのグラス自体のシルエットもかっこいいのですが、レース部分も繊細な模様が施されいてとても綺麗でした。
後はガラス製造に関しての書籍があり、イタリア語から他の言語翻訳されて、その翻訳されたのが他の言語に翻訳されながいろんな国々でガラス技術が広まったようです。
しかし、この伝言ゲームみたいな翻訳で正確な技術は伝わったのですかね?
あと別のガラス技術について書かれた書物の復刻版版画が展示されてました。
次の部屋には日本に来たヴェネチアンガラスについて展示してありました。
各地の城跡などから出土されたものや、今日まで保存されていたものもありましたが、ヴェネチアングラスを日本でアレンジした作品が多かったです。
ゴブレットとかでなく、徳利や杯など日常に使いやすい形が主流となっていたようです。
その中でもぎやまん彫りとされている杯は透明感の中に繊細な絵がダイヤモンドポイントのような引っ掻く形で描かれていました。
杯の大きさやその絵柄などがかわいく、この中でも好きな作品です。
ヴェネチア19世紀イタリア
技術が海外流失した後ガラス産業が一時期衰退したイタリアですが19世紀にまた再興という形で産業が盛り上がりました。
この時代になると作品自体が大型化して、ガラスの装飾もかなり多彩になってました。
花形ステム・ゴブレットでは透明な色ガラスで装飾されたゴブレットで、その造型さながら色ガラスに一層の透明さが増してました。
あと、ひたすらゴージャス感のあるティーカップ&ソーサーは金色とポイントになる白の模様で構成されているのですが、金色なのに繊細な構成により嫌みのあるデザインになってませんでした。
最後は現代のガラスアート作品でした。
もう実用性うんぬんはなしですね。
ガラスなのにふわっとしたハンカチのような作品、海中を表現した作品、小さなグラスを並べて水を表現した作品などがありました。
あと「?」となるのもありましたが!!
以上大雑把に感想です。
さすがに1か月以上経っての感想書きは難しかったですorz
「これは凄い」と思っていても忘れてしまうものなんですね・・・。
でもこれでまた似たような企画展があっても楽しめるというもんです(笑)
えーでもまだもう一個感想書き残しているので、また近日中に上げたいです。
駄文申し訳ありませんでした。
開館50周年記念「美を結ぶ。美をひらく。」III
コーニング・ガラス美術館特別出品
あこがれのヴェネチアン・グラス―時を超え、海を越えて
会期:
2011年8月10日(水)~10月10日(月・祝)
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※各作品の展示期間については、美術館にお問い合わせください。
開館時間:
10:00~18:00 (金・土は10:00~20:00)
※9月18日(日)、10月9日(日)は20時まで開館
※いずれも最終入館は30分前まで
※開館情報は変更となる場合があります。最新情報はホームページをご覧下さい。
休館日:
火曜日
入館料:
一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料
名物刀剣 宝物の日本刀(根津美術館) [美術展感想]
なかなか時間が無くて感想が書けず、とっくに会期期間は終了しているのですが、メモ代わりにざっくり書いておきたいとおもいます。
根津美術館は前から行ってみたところではあったのですが、工芸品の企画展が多い美術館なのでなかなか興味がわくものがなく行く機会がありませんでした。
今回は刀剣ということでこれは見に行くべしと思い行ってきました。
2009年に全面改装しただけあってとても綺麗な美術館でした。
ロビーは3階まで吹き抜けのとても広がりがある空間で、全面ガラス張りの南面には庭園が広がっています。
そんな美術室の2室が今回の企画展に使われてました。
今回のお目当ては刀剣と言いながら、実は拵えの方が見たかったのですよ!
でも、やっぱりほとんど拵え付きの刀剣はほとんどなかったのですが、この展覧会でその理由がわかりました。
豊臣秀吉が名刀を蒐集していたのですが、大阪城が燃えた際にそれらの刀剣も一緒に燃えてしまったのですね。
でも刃の部分はもちろん残るため、それを再度打ちなしたのが現在の姿となっているといことで・・・・。
そりゃ拵えが無いのが多いわけです。
展示品はそれこそ平安時代に源氏が使っていたという品から、江戸時代までありますがやっぱり多いのは優れた刀鍛冶がいた鎌倉時代の刀が多いです。
ここまで書いておきながらなんですが、工芸品の感想って難しいのですよ!
何がって、出品目録の名前を見ても記憶の中の展示品と一致しない場合が多い。
もういろいろごっちゃまぜになっています。
絵とかだと大体タイトルで覚えられるのですが・・・・。
というわけで本編の感想はかなりもっさりした書き方になってます。
ぶっちゃけもうほとんどのものが私の記憶では一緒になってしまっている中、一番印象に残ったのはまるでそこから霧が湧き立っているよな刃紋がある刀です。
これがどれだったのか思い出せないorz
メモしておけばよかった。
(メモしながら見る時も結構あるのですが!)
なんとも言えな幽玄という表現が合う刀でした。
後は刀の反りを見たり切っ先を見たり、拵えがあるのも数点ありまして北条家の家紋が入った金属の拵えはかっこよかったです。
(目録みて正しい名前を書こうと思ったらどれだかわからなかった!)
実際帯刀したら重いでしょうが・・・・。
あと拵えが残っているのは短刀・小太刀とかが多いですね。
いわゆる嫁入り道具になっていたので、地方にあり火災を免れたのでしょう。
でもちゃんとした刀の拵えが見たかった。
会場の中央に飾ってある展示品もあるので、上から下から横から全て眺められるので刃の薄さなどもしみじみみてました。
いろいろ名刀がみれました。
伊達政宗が使っていたという刀もありました。
でもしかしどれがどれだったのかもうごっちゃです・・・・。
でもこれだけ一同に展示環境のよい場所でみれたので行って良かったです。
(この美術館は展示品にとってとてもよいライティングがされている場所だと思います)
あとおまけ
同時開催の展示品のちょこっと感想
仏像の展示室が1室とロビー展示がありました。
仏像の感想・・・・。
前の空海展の時にも書いたけど難しい・・・・。
石仏はロビーに飾ってあるのでいろんな方面から眺められます。
古代中国の青銅器
これがこの美術館のメイン収蔵物なのか、もらったチケットのイラストが青銅でした。
これは面白かった。
饕餮(トウテツと読む(この漢字ちゃんと表示されるのか?)空想像の神獣らしい)をモチーフにしたまったく実用的とは思えない青銅器の数々。
まあ多分祭事に使うものなのでそんな気づかいは無用でしょうが。
羊が背中合わせになった器などもかわいいです。
青銅器は地味と思っている方は一度はこれ見た方がいいですよ!
お伽草子絵巻
室町時代の作なのですがはっきりとした作者が分かってないものみたいです。
当時それなりの人が気軽に楽しむために見るためのものだったらしいです。
ちょっと雑な感じがするタッチでした。
(3作品ありました)
長月の茶
当月企画ということで、お茶関係の展示物です。
中心は茶器ですね。
端にミニ茶室があったり、展示品が畳の上に置いてあったりと展示方法が工夫されてました。
やっぱり器の感想って難しい!!
おまけのおまけで庭
だいぶ年数が経っているのか全体がもっさりとした庭ですが、傾斜を上手く使って作庭されてます。
一番下の部分には池や川などもあるのですが、全体的に作り込んだ庭というよりも野放図に近い感じで植物が生育しているため緑が濃く感じる空間です。
その分落ち着いた雰囲気で、小道が縦横無尽に敷いているため散策するには良い場所だと思います。
また茶室も何カ所もあるのですが、一般の来場者は外から眺めるだけとなってました。
本館に近い場所は芝もありここは開けているため明るい雰囲気の中、仏像や灯篭がここにも飾ってありました。
特別展
名物刀剣 宝物の日本刀
2011年8月27日(土)~9月25日(日)
休館日 月曜日 ただし9月19日は開館、翌20日閉館
開館時間 午前10時‐午後5時
(入場は午後4時半まで)
入場料 一般1200円、学生1000円
*中学生以下は無料
*コレクション展「古筆切」の会期中(7月13日〜8月14日)、ミュージアムショップにて前売り券(各100円引き)を販売します。
会場 根津美術館 展示室1・2
空海と密教美術展(東京国立博物館 平成館) [美術展感想]
久々に上野公園に行ったら噴水が全部取り壊されていてびっくりした。
新しいものにするみたいで、絶賛工事中でした!
さて今回は割と終了までの余裕を持って行ってきました。
でも行ったのが日曜日だったので混んでるだろうなとは思っていたのですよ。
最悪外で並ぶ列が短いといいなと思いながらチケット売り場に行くと「場内は混雑してます」の表示が!
どれだけ外で待たれるのだろうとビクビクしながらいくと、すんなり会場に入れました。
会場内も混んでるには混んでますが、状況をみて展示物を見るには問題ないくらいの混み具合。
とりあえずこの程度の混みでよかったと思いました。
今回は空海にゆかりの品を色々展示してあり、書から仏像、仏具などいろいろありました。
そのほとんどが国宝か重要文化財だそうですが、こんだけそろうとなんか逆にありがたみが減りますね(笑)
もうどれが国宝だったのか覚えてません!!
場内に入るとまずは弘法大師像(空海)の肖像画が飾ってあります。
私が行った時には鎌倉時代に描かれたものでした。
それからしばらくは空海の書関係が続きます。
空海直筆のものは結構展示してあり、解説には上手いと書いてありましたが、私が見た限りではまあ癖のある字だと思います。
9世紀の書が残っているのはなんか凄いことだなとは感じました。
中国に行って密教を会得してきた空海ですが、仏像などは本物を持ってきたのではなく絵や書に書きうつしてそれを日本で再現したようで、その直筆の目録なども残っていました。
「海賊蒔絵袈裟箱」の表面は精密な細工がほどこされている少し大きめの箱で綺麗でした。
これに納められものがあるのですが、私が行った期間には展示されてませんでした。
こんな箱に納めるものならどんなすごいものかと思ったのでちょっと見れなくて残念です。
もうちょっといったところではじめての仏像展示があります。
毘沙門天像です。
天女?(だっけな)の手のひらに乗っていると解説があったのですが、これだけ大きいと設定だけで天女はいないのだなと思ったら足の下にいました。
両手で毘沙門天を支えてます。
乗っているという感じではありませんでした。
ここから五鈷鈴、三鈷杵、独鈷杵などの仏具が続きます。
どれも造型が素晴らしいです。
特に錫杖頭は流線型の細い金属で出来ていて、中央には数体の仏像が組み込まれています。
「密教法具」は直接空海が日本に持ち込んだもの、すごいです。
次に来るのが小さい木に彫り込んだ仏像のいろいろ。
その細工の繊細さには凄いの感想しか出てきません!
(本当に細かすぎて凄いんです!)
次には鉢などの仏具が続きます。
装飾はなくとにかくシンプルなのですが、そのなかでも繊細さが感じられる作りになっております。
後は仏像をつくるための下絵やら書やら。
(だんだん展示物が頭の中でごっちゃになってきた)
次は仏像の部屋になります。
大日如来像を一番奥にして、十二天様方が順繰りにお当番してるようで、私の時は5体ありました。
とにかく仏像がいっぱいです。
その途中に両界曼荼羅図がありました。
でかいです。
でもかなり退色していて、かなりぼんやりしたものになってました。
曼荼羅図でしたら、小さめのものがあったのですがそっちの方が色もしっかりしていて綺麗でした。
最後の部屋は立体曼陀羅を再現したというもの。
全部で二十数体で構成されるうちの今回は8体が会場にあります。
((・´ェ`・)ゼンブジャナインダ・・・・)
滅多に見れない裏側などもばっちり見てきました。
水牛と象のおしりがプリチィーでした。
っと、かなり雑な感想になったな今回は・・・・。
仏像に関してなんか表現する語彙を私は持ち合わせないみたいですorz
曼荼羅というタイトルに魅かれて行ったのですが、なんか私が想像していような内容ではなかったみたいで、ちょっと物足りない気分で帰ってきました。
結論は、本当の場を味わいたければ東寺に行きなさいということですね。
でもこれだけ仏像をみれば何かの御利益にあずかれるかもと思った・・・・・君!!!
ここにある仏像は全部お寺で御魂抜きをしてあるので、多分御利益ないと思うよ!
(だからこそあんなに不躾な観賞が出来るのですねけどね!)
なんか今回はあんまり実のない感想になったけど、内容はそれなりに楽しめました。
「空海と密教美術」展
会期2011年7月20日(水) – 9月25日(日)
会場東京国立博物館 平成館 (上野公園)
開館時間午前9時30分 – 午後5時
※入館は閉館の30分前まで
(金曜日は午後8時まで、土・日・祝日は午後6時まで開館)
※開館時間については、変更の可能性もあります。
休館日月曜日 ※ただし8月15日、9月19日は開館
主催東京国立博物館、読売新聞社、NHK、NHKプロモーション
後援文化庁
特別協力総本山仁和寺、総本山醍醐寺、総本山金剛峯寺、
総本山教王護国寺(東寺)、総本山善通寺、遺迹本山神護寺
協力真言宗各派総大本山会、南海電気鉄道
協賛あいおいニッセイ同和損保、きんでん、大日本印刷、
トヨタ自動車、非破壊検査
お問合せ03-5777-8600 (ハローダイヤル)
※会期中、作品の一部に展示替えがあります。
東京国立博物館 平成館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
ホームページ http://www.tnm.jp/
JR上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分